b型肝炎とエイズの違い

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b型肝炎もエイズもウイルスが体内に侵入することで感染します。そしてどちらのウイルスも感染経路は血液・体液と共通しています。しかしb型肝炎とエイズには大きく異なる点もあります。感染が広がらないようにするためには、どの程度感染力があるのか、どの様な場合に感染するリスクがあるのかを事前に知っておくことが大切です。

b型肝炎とは

b型肝炎とはb型肝炎ウイルス(HBV)によって発症する病です。このウイルスに感染すると肝臓が炎症を起こします。主な症状としては倦怠感・食欲不振・黄疸等が挙げられます。急性肝炎の場合、症状が重く出る劇症型に陥る恐れもあります。

放置すると命にもかかわるので、できるだけ早期に治療する必要があります。また急性肝炎は適切な治療を行うことで回復しますが、場合によっては慢性肝炎・肝硬変・肝臓がんなどにつながる恐れもあります。

エイズとは

エイズ(AIDS/後天性免疫不全症候群)とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することで起こる病です。HIVはヘルパーT細胞等の白血球に感染します。この白血球は免疫の中心を担っており、身体を様々な細菌やウイルスから守っています。

HIVに感染すると、この免疫機能が正常に働かなくなり、細菌やウイルスへの対処が十分できなくなってしまうのです。免疫機能が低下すると、やがて本来なら自力で抑えられるはずの細菌も抑えられなくなっていきます。

この状態を「日和見感染」と呼びます。特にエイズの場合、23種類の病気が指定されています。この指定された病気を発症していることが明らかになった時点で、エイズと診断されます。

b型肝炎もエイズも完治できない

b型肝炎もエイズも正しい治療を行えば、症状を抑えることはできます。しかしどちらの病気も完治させることはできません。どちらの場合もウイルスは体内に残ったままなのです。そのためb型肝炎・エイズを発症した場合は薬などで症状を抑えながら生活する必要があります。

たとえ症状そのものは見られなかったとしても、体内にウイルスがある限り誰かに感染するリスクはあるのです。

b型肝炎もエイズも感染経路は同じ?

HBVもHIVも一度感染すると体内に留まり続けます。症状そのものは見られなかったとしても、ウイルスが他の人の身体に移ると感染が広がる恐れがあるので、感染を防ぐためには、できるだけ感染経路を断つことが重要です。

b型肝炎もエイズも主な感染経路として挙げられるのが、体液と血液です。

体液は性行為によるもの・汗・涙・唾液等が挙げられます。一方血液は輸血・医療器具の使いまわし・出血等が挙げられます。また母親がウイルスを保有している場合、血液を通じて胎児にウイルスが移ります。そのためb型肝炎もエイズも母子感染する恐れがあります。

b型肝炎もエイズも空気感染はしない

b型肝炎もエイズも主な感染経路は血液と体液です。インフルエンザなどのように、咳等で感染することはありません。また患者と直接触れた場合や一緒にプールに入る場合も、感染する可能性は低いです。ケガをして出血している場合は血液感染のリスクがあるのですが、両者ともに血液が触れる恐れがない場合は、お互いに触れても問題ないのです。

普通に生活している分には感染するリスクは低いといえるでしょう。

b型肝炎とエイズは感染力が違う

b型肝炎もエイズも患者の体液・血液が体内に入ることで感染します。ただしこの2つの病には大きな違いがあります。それは感染力の違いです。HBVはHIVに比べ、感染力が約50~100倍違います。例えばHBVは汗や唾液などを通じて感染することもあり、保育園で集団感染したという事例もあります。

また歯ブラシやタオルなどを共有した場合も体液に触れる恐れがあるので、注意しなければなりません。傷口から出血した血液にも1週間程度ウイルスが含まれているので、それに触れた場合も感染するリスクがあります。一方HIVは非常に感染力が弱く、体液によってウイルスの含まれている量も異なります。

例えば唾液や汗にはほとんどHIVは含まれていないので、日常生活で移ることはほぼないのです。

性行為に要注意

b型肝炎もエイズも、感染経路として最も気をつけなければならないのが性行為です。特にHIVは感染力そのものは弱いものの、膣分泌物には多く含まれているので、性行為を通じて感染するリスクが高いのです。

そこで大切なのが、正しい対処法をとることです。コンドームを必ず装着し、膣分泌物が相手の体内に入らないようにします。そして患者側は医師に相談するとともに、パートナーにも必ず感染していることを伝えるようにしましょう。

パートナーを傷つけないためには、正しく伝えることも大切なのです。

b型肝炎にうつらないようにする工夫

b型肝炎・エイズの患者と接する際の注意点

医師23

b型肝炎・エイズ共に、患者と接する際は血液に触れないように心がけます。どちらの場合も血液を介した感染が多いからです。特にチューブ・カテーテル・注射器などの医療器具やカミソリ・ピアス等は、患者の血液が付着していることがあります。

接する際はこれら血液が付着した道具にできるだけ直接肌や粘膜が触れないようにしなければなりません。医療器具を扱う際は手袋・エプロン・マスクなどを着用し、できるだけ皮膚・粘膜の露出を防ぎます。また使用した道具に関してはばらつかないように箱やペットボトルなどに入れた後、一度袋に入れます。

その袋を再度他の廃棄物と一緒に袋に入れ、漏れないように細心の注意を払います。特に医療従事者・警察官・消防官・患者の家族は血液などに触れる可能性が高いため、正しい知識を持って対処することが必要です。

自分がウイルスを持っていないか確認することが大切

b型肝炎もエイズも感染を広げないようにするためには、まず自分がウイルスを保有していないか確認することが重要です。b型肝炎もエイズも感染したからといって必ずしも発症するわけではありません。

また一度発症し、症状が治まったからといってウイルスそのものがなくなったわけでもありません。どちらの場合もウイルスを完全に消し去ることはできず、体内に残ったままになってしまうのです。そのため自分自身がウイルスを保有していることに気がついていない可能性も少なからずあります。

自分は感染しているのかどうかは、血液検査で調べることができます。健康診断や献血などの際に調べることが出来るので、気になる場合は医師などに相談しましょう。